アメリカン・サイコ(映画)

昨日アメリカン・サイコっていう映画を見た。もとはブレット・イーストン・エリスって人の小説。2000年の映画だけども、1980年代のNYが舞台で、すがすがしいほどスノッブで没個性のヤッピーたちの1人が、快楽殺人で個性を獲得するっていう話で、個性尊重という全体主義に陥っているアメリカ人に毛虫のように嫌われたらしい。アメリカでの評価と作品論については佐藤亜紀の『小説のタクティクス』167ー175頁を参照。つか、これを読んでた夫が映画を見たいと言って録画しといたのだった。

Huey Lewis & the Newsやホイットニーについてうんちく語ったり、ちょっと80年代をカリカチュアしすぎな感じもあったけど、結構面白かった。主人公が3Pしてるときにビデオに向かってキメ顔連発してて(BGMはフィル・コリンズ涙)、ナルっつーか、ナルが文化的に最先端だからみたいな、アブノーマルな性的嗜好と暴力と殺人以外はとことん没個性。パパの会社の副社長にしてもらったはいいけど、なんも仕事与えられてないみたいで、立派なビジネス用システム手帳の中身は勉強できない中学生の教科書みたいな落書きだらけ。塾講師してたときの教え子を思い出して哀れを誘われたわー。

もうあとひと押しで、すごい面白い映画になりそうなんだけど、といった感じ。私の好きな私立探偵役のウィリアム・デフォーにもっと活躍して欲しかった。小説では刑事らしい。見てみようかな。